第113章 夏の大三角(14)大会編
一本目の私は、確実に決めないといけない役割でも、後ろに控える二人に支えて貰ってる意識、何処かで自分でも気づかない甘さがあって……。
(昨日の個人戦も、その甘さが出たのかもしれない)
大前と違って落ちは、日頃からその尋常でないプレッシャーに直面して、対峠してきた人じゃないと務まらないって……秀吉先輩が教えてくれた。
プレッシャーを感じない人。
じゃなくて、そのプレッシャーを活かせる人だって。
流れた沈黙。
副部長の最後の大会になるかもしれない。
それなら……。
私とゆっちゃんは顔を見合わせ、副部長の手を片方ずつ握ると……声を張り上げた。
「「私達に支えさせて下さい」」
想いを一つに。
絆の弦音を響かせたい。
副部長は一瞬面食らったように目を見開いて、その瞳に初めて安堵が映るのを見て、私達にも熱いものが込み上がる。
一頻り涙を流した後。
急遽、顧問の織田先生の元に駆け込み……
順番の変更を。
「貴様らの、その絆とやら。見せて貰う」
赤い目元を見て、先生は私達三人の頭をぽんぽんと叩く横で、明智先生はスッと目を眩しげに細め、
「戦国姫は如何なる時も、最後は自分を貫き信じた……」
「え??戦国姫?」
何で?いきなり。
「クッ、ちょっとした言い伝えだ。お前もそれぐらいの気持ちを見せろ」
こんな時にまで何故か、白衣姿の明智先生。怪我したら即、手当てしてやるとか縁起でもないことサラッと言うから、口を尖らせるとフッと息を吐いて、目元だけは優しさの色を浮かべてくれた。