第112章 『happeningな一日』

プルルルル……ッ。

一瞬、電話に出るか迷う。

でも、何回も掛けてきてくれてるのに出ないわけにもいかないし。
後からかけ直すのも……
時間が遅くなって迷惑かけちゃう。


隣に視線を向ければ、
出れば？さっきとは打って変わって、三成くんなんかまるで興味無さそうに、家康は言う。


私はフォークを咥えたまま、指をスライドして携帯を肩と耳に挟むと、



「もしもし？三成くん？」



再びフォークを手で持ち、電話に出た。



『……良かったです。今度はひまり先輩に出て頂けて』


「ごめんね？家康が、勝手に出ちゃったみたいで」



チラッと横目線で見ると、ツーンと知らん顔してテーブルに肘を付く家康。プイッと不機嫌に顔を反対に向け、自分も携帯を弄り出した。



残り半分になったケーキ。
一口分だけフォークに刺し、三成くんの要件を聞く。



「え？明日の大会終わってから？」

『はい。少し時間を頂けないかと……大事なお話がしたいので』

「うん……。別に構わないけど、大事な話って？電話では、言えないこと？」



そう、尋ねた時。




ペロッ。



へ？？
ペロッ？


一瞬、思考回路が停止して。




「生クリーム付いてた」




耳元でボソッとそう呟かれ……




……っ！！！///



舐められた〜〜っ！///



横を向けば、ペロリと舌舐めずりする家康のドアップ！！///



「な、な、な……っ！///」



パニックに陥った私はあたふためくと、持っていたフォークをうっかり胸元に落としてしまい……



『ひまり先輩？どうかされましたか？』



すっかり三成くんと電話中なのを忘れていて……



「ご、ごめんね！ちょ、ちょっとケーキを落としちゃって………わっ！！」



ティッシュを取ろうとした時。


瞬く間に、家康に肩を掴まれベットの脇に押し付けられていて……


え？
何が起こったのか……
一瞬わからなくて……



『大丈夫ですか！？』



キョトンとしていると、


ペロリ。




「ひやぁ……っ///」




キャミソールの開いた胸元。
そこに落ちた生クリームを舐められて、
思わず変な声……が。