第112章 『happeningな一日』
私はお母さんに返事をしてタオルケットを身体に巻きつけ、黒テカリの存在を確認する。そして、床に足を下ろし着替えを素早く掴むと、再びベットの上に飛び乗った。
「家康?私、着替えるから……」
「どうぞ」
へ?
間抜けな声を出すとくるりと私の方を向いて、見ててあげるとか意味不明なことを言い出す。
しかも、
「ほら、貸して手伝ってあげるから」
「わぁっ!///返して、返してーー!」
着替えを奪われ、
「何でそうなるの!///」
「俺が聞きたいし!弄ばれて、お預けとか!毎回!言っとくけど、意地悪はひまりだから」
拗ねたみたいに怒り出す家康。
「きゃーっ!引っ張らないでーー!」
巻き付けたタオルケットを剥がされそうになり、綱引きみたいにグイグイ引っ張り合う。
「エッチーー!///」
「上等。ばーか」
一向に部屋から出て行こうとしない家康に、クッションを投げ私は背中を押して扉の前まで追い払う。
「もう!早く……!」
タオルケット落ちないように手で支え、グイッと廊下に押し出す。
すると、家康は顔だけ後ろに向けて
「……それだけ、元気あるなら」
まぁ、大丈夫だね。
それだけ言い残して、階段を降りて行く。
私が落ち込んでると思って……。
パタンッ……。
ーー俺だって無理矢理したいワケじゃない。
無理矢理って……。
家康は、いつも私が嫌がったらすぐに止めてくれる。
さっきだって、泣いたから……。
「ひまりーー!早くしなさいー!」
「今、行くーーっ!」
私は、考えるのを止めて急いで着替えると、リビングに向かった。