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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第111章 『図書館青春』家康様side




バッ!!

不意打ちに弱い俺は、消しゴムを掴んだまま素早く手を後ろに引く。



「ご、ごめんねっ」

「べ、別に……」



別に謝んなくても良い。

そんな一言さえ出てこない自分に嫌気がさして、顔を背けた。





そして、また盗み見開始。


(何か悩んでるし………)


可愛くペン先を唇にあて、
頭を左右にゆっくり傾けるひまり。

多分、問題に躓いて……


そろそろ……


「家康……ココなんだけど…」


案の定、目線を下に落として遠慮がちに聞いてくる。


「……はぁ。ソレ、前も教えた」

呆れたフリして、


「何回教えたら頭の中に入るわけ?」

嫌味言う癖に、内心は嬉しいとか。


「だ、だって苦手なんだもん!」

「はいはい。……なら、こっち来て」


捻くれてんの自覚しながら、隣の椅子を引いて座らせる。

別に移動させなくても教えれるけど、



「……ばか。ここは、無駄に難しく考えなくていいから。……この場合、ゼロになる解の公式で……」



首を縦に振って真剣な顔すんの、
近くで見たいのが本音。


「ペン貸して」


受け取ったハート柄に一瞬躊躇しつつ俺は公式を書き込んで、説明。


けど、

隣に視線を向ければ、
全然集中してないし。


コツンッ。


「ちゃんと聞いてんの?」

「き、聞いてるよ!……でも、出来たらもう一回最初から……」


やっぱ、聞いてないとか。
やめてくれる?一緒の高校行けなかったら、どうしてくれんの?



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