第108章 『貴方は私のbodyguard???』後編
「きやぁぁぁ!!!やだやだっ!」
完全にひまりはパニックを起こし、
「ちょ!そ…れは……っ///!」
「近い!今の近い……うぅ……」
頭と胸ぐりぐり人の背中に押し付けて、更に甘えてくる。
状況が見えない分、
感触に神経が全部もってかれる。
雨のせいでクーラーの風が、湿気まじりになって生温い。
汗が薄っすら浮かび、ひまりの家でお風呂入った俺の身体と背後から同じ香りが溢れ……部屋に充満する。
「だんだん…近くなってる……もぉ、やだぁ……」
鼻にかかる涙まじりの声。
可愛いけど、
甘えてくるのは嬉しいけど……
(限界が近いのは俺だし!///)
すぐ近くに色々と十分なソファ。
年頃の男と女が二人っきり。
しかも夜に。真っ暗な部屋で。
ピッタリくっ付きながら……
「……今夜は側にいて欲しいの」
消え入りそうな声音で、
極め付けにこの台詞。
ドキドキするなって言われても、
期待するなって言われても、無理。
下心が芽生えない訳がない。
「お、ねが…い。……一緒にいて」
俺は身体ごと振り返り、
「それ…言ってる意味。…わかってんの?」
正面向いて、ひまりの顔を見ながらちゃんと聞く。
はっきり、否定してくんないと。
例え、無自覚で言ってても許さないよ。
リビングの掛時計。
雷音が一瞬止んだ隙に……
カチカチと針が刻み、
まるで俺のかわりに返事を急かす。
沈黙。
多分時間にしたら、数秒。
それでも、今の俺には十分長い時間に感じて……
涙で潤んだ瞳が、ようやく俺を見たと思ったら……
「ちゃんと、わかってる…よ。だから……してくれないと、困るよ」
して?
シテ?
本気で?
もしかして!
やっと!俺の長年の片思いが!
成就する日がついに!
(や、ばい…嬉しすぎて…ってか、可愛すぎっ。何…っそのウサギみたいな瞳!///そのきゅっ!ってもう服掴むのほんと、駄目っ///もう、ヤバイしか言えないし!)