第108章 『貴方は私のbodyguard???』後編
雨粒が窓を破るように叩き。
近づく轟音。
部屋が光る度、
腕の中のひまりは震え……
次にくる音に身構えていた。
昔から雷が苦手なのは、知ってる。
理由聞いた時は思わず、苦笑いしたけど。
「雷なんて、その内いなくなるから」
少しでも安心出来るように、
俺は頭を撫でて落ち着かせる。
するとコクコク可愛く頷いて、枕を更に握りしめた。
音とか光を怖がるなら、わかるけど。
ひまりの場合は、何処か遠くに連れてかれそうで、怖いらしい。
(まぁ。そーいうトコが可愛いんだけど)
とりあえず一旦身体を離し、怖さが紛れるように電気を点けようとした時だった……
ここから、
トンッ。
「怖くて眠れない……」
後ろから回された細い腕。
抱きつかれただけなら、まだ何とか耐えれた。
問題が……。
ムニッ。
(枕じゃない!この感触違うし!)
ひまりの
柔らかい胸が俺の躯にあたる。
しかも、直接。直に……
(これ…は……ヤバイかも)
俺はボディガード。
三日間のボディガード。
ひまりのボディガード。
三回心の中で唱え。
三回深呼吸してから……
首だけ後ろに向ける。
「なら、ひまりが寝るまで側にいてあげる。……だから」
部屋まで連れていくしかない。
(お願いだから!とりあえず一旦離れて!!///)
口では冷静なこと言って、心臓は雷音に負けないぐらいバクバク鳴り、内心かなりこの状況に取り乱している俺。
ついに、天まで見離されたのか。
稲光が走った僅か数秒後。
ドォーーーンッッ!!!!!
今日一番の雷が近くに落ちた。