第108章 『貴方は私のbodyguard???』後編
「ほ、ほら!昼から予備校でしょ?早く家に戻らないと遅れちゃうよ?」
ズリッ……。
「昼過ぎに出たら間に合う」
まだ、昼前だし。
ズリッズリッ……。
腕を掴まれたまま、
……少しずつ下がって。
まだ、明るい昼前。
燦々と差し込んだ光。
家康が寝付けないといけないからと思って、付けっ放しにしていたクーラー。設定温度に達して、部屋に運んでいた風がピタッと止まり……
そして食器棚まで下がりきった私の足も、ピタリと止まった。
瞬く間に追いつめられて……
「いつもより素直だし。挙動不審過ぎ」
何で?
耳に口元を寄せて聞いてくる。
料理をする時はいつも横向きに束ねる髪。だから、片方の耳は露わになっていて、家康の声が全身を駆け巡るように届く。
(心臓壊れちゃう!!///)
「気のせいだよ!///いつもと……ひゃ…っ…」
「……ふーん。言わないんだ。なら、今から、何するかわかんないよ」
後ろで結んだエプロンのリボン。
素早い手つきで解かれ、家康の大きな手が中に入り込んでくる。
「また夜に増量されると……」
ほんと、困るから。
家康の意地悪スイッチ。
どのタイミングで入るのか、
ほんとわからない。
(そもそも増量って何!?もう、ほんと意味わかんないよ)
「家康は私のボディガードでしょ?なら、意地悪しないでよ……っ」
「それ、夜限定」
昼間は通常営業。