第103章 夏の大三角(11)殿様ゲーム編
「何で、結ぶんですか!?」
頭上に一つにまとめられた腕。
ジタバタ暴れる私の股を割り、先生は組み敷くとニヤリと笑う。
「こっちのが、いかにも感が出るからな」
「いかにも感って……!」
「先生の好きにしてと、大人しく言えたら解いてやる」
「副部長!助けて下さいーーっ!」
「女の私でも、思わず興奮しそうになるわ」
誰でも良いから助けて!
必死に目で訴える。
なのに、
織田先生はニヤニヤして、
秀吉先輩は申し訳なさそうにするし、
あとの三人は……
「これは、まさにいかにもですね///男の夢の展開。羨ましいです///」
「涙目。腕を拘束。極め付けにあの台詞言われたら、堪らねえな///」
「……俺もアレしたい///」
何か、もしかして心ここにあらず的な感じ?頭を抱えて、顔を赤らめたり、上を向く姿を見て私は、身の回避が出来ないと踏み……
「わ、わかりました!言いますから、絶対、絶対解いて下さいね?」
そうお願いしてから、
「せ、…んせいの。好きにし…て下さい」
恥ずかしくて途切れ途切れに、
そう言った時。
皆んなが一斉に
「「「「「ゴクッ」」」」」」
息を呑む音が部屋に響いた。
そして、ついに。
「はい。俺の番」
起き上がった瞬間。
「待たされた分。楽しむから、すぐに言わないでよ」
身体が浮いたかと思ったら、
いつの間にか家康の脚の間に、
後ろ向きで座っていて……
「どんな、意地悪して欲しい?」
もうこれだけで、
充分意地悪されてるよ。
背中から家康のぬくもりが伝わって。
喋るたびに、頬に息がかかって。
お腹に回った腕。
耳に家康の柔らかい頬があたる。
「この体勢だと……」
上目遣い出来ないでしょ?
究極の意地悪タイムが始まった。