第103章 夏の大三角(11)殿様ゲーム編
「俺の分の時間。取ろうとしたバチが当たったんじゃない?」
家康は手を軽く摩りながら、起き上がる三成くんを横目に目を細めた。
「だな。ひまり、次は俺だから顔上げろ。早く済ませてやる」
政宗は私の脇の下に手を入れ、立たせると穴が開くぐらいじっと見つめて来る。逆に恥ずかしくなってきて、もじもじしながら俯くと……
「あんまり、可愛いことするな。俺が保たなくなるだろ?」
「だっ、だってあんまりじっと見られると余計に言いにくいよ……///」
一番の男友達だと思ってる分。
なんかむず痒くなってきちゃう。
いつまでももじもじして爪先に視線を落としていると、頭上から溜息が聞こえてきて……
政宗は早くしてくれてるのに!
私ったら……っ!
てっきり呆れられたのかと思って顔を上げると、
「何なら俺が言ってやろうか?」
「え??」
「俺を煮るなり焼くなり……」
お前の好きにして良いぞ?
ドキッ。
不意を突かれた逆パターン。
違う意味でドキドキしちゃって……
「政宗………」
「ひまり」
時が止まったように、絡み合う視線。
政宗から目が離せな……い?
グイッ!!
突然、誰かに腕を引っ張られる。
思わず呆気に取られていると、
背中に床がぶつかり……
ドンッ!
壁ドンでも、股ドンでもなく、床ドン。そして妖しい光を宿した瞳が私を捉えた。目まぐるしいぐらい、状況変化に追いつけなくなってきた私。
暫く動けなくなって、
固まっている間に……
明智先生は何処からとも無く、
腰帯を取り出して……。