第103章 夏の大三角(11)殿様ゲーム編
「ほぉ……。威勢だけは良いな。ならは、補習の時なら良いのか?」
熱い吐息が唇にかかる。
先生が赤い舌で自分の下唇を、ゆっくり舐めるのを見て、
「補習の時に///す、好きにしていいですから!」
身の危険を察知した私はその場しのぎで、後で絶対後悔するような台詞を言ってしまった。
「ばか!そんなこと言ったら…っ!」
「愉しみは二人っきりの時に持ち越すとは。見事な誘導の仕方です」
家康が焦り出す隣で、何かブツブツ言いながら三成くんは私に近づいてきて……
ぎゅーっ。
「次は私の番なので」
「こ、これだと顔上げれないよ?///」
正面から力強く抱き締められ、顔は自然と三成くんの胸に埋まる。
「良いんですよ。今は、この時間を楽しまないといけませんから」
「でも、急がないと時間が……っ!」
「最後になる家康先輩の時間を潰せば、大丈夫です」
最後、家康なの?
ってか待って!///
私、家康にもこの台詞を言わないといけないの!?///
皆んなが次々来るから、すっかり肝心なことを忘れていた私は、焦り出す。
家康に言うのは、一番恥ずかしい。
絶対、意地悪されるし、
それに……
それに……?
何かわかんないけど一番言えない気がする。もう、考えるだけでも耐えれない。
恥ずかしくて、死んじゃう!
パニックになった私は、バッと顔を上げてうるうるしながら、
「お願い!三成くんの好きに(時間稼ぎ)して!」
「へ?///ほ、本当に良いんですか!?///」
家康の番が回らないように、時間を稼いで!そうお願いしたつもりが、三成くんは何かを誤解したみたいで……
「はぁ……。先ずは何から致しましょうか?」
いきなり荒い呼吸を繰り返して。
私に熱っぽい視線を向ける。
壁に押し倒され腕を拘束された瞬間。
どんっ!
三成くんは急に視界から消え、
凄い速さで横に飛んで行った。