第103章 夏の大三角(11)殿様ゲーム編
合宿最終日。
昼食後、広間に部員が集まると同時に、七月の末から八月の頭に開催される夏の大会、その詳細プリントが配られる。
大会は四日間。
初日と二日目は個人予選、団体予選。三日目と四日間は種目別の決勝戦が行われる。
女子の団体メンバーは、
副部長とゆっちゃん、私の三人。
男子の団体メンバーは、
政宗と三成くん、家康の三人。
勿論、私も含め皆んな個人種目も出場。家康は特殊種目、男女混合戦にも選ばれている。
最初、団体の方に秀吉先輩がメンバー入りしてなくて、不思議に思ってたんだけど。
ーー去年、優勝逃した混合戦に集中したいからなんだって!
ちゃんと情報をゲットしていた、ゆっちゃんがそう教えてくれた。
(確かに、三種目出るとなると大変だよね?)
家康は去年、秀吉先輩に個人戦で負けちゃったのがよっぽど悔しかったみたいで、三種目上等!って感じで闘争心から、出場決めたみたいだけど。
「そう言えば、混合戦の残り二人は誰が出場するんですか?」
私は隣にいた明智先生に尋ねる。
「その時に、決めると聞いている」
「え!?」
普通出場メンバーの名前とか書いて、大会登録したりするよね?
「顧問の偉大さをまだ、わからないのか?」
さらりとそう言われて。
(つまり織田先生が何か手を回したって、こと?)
うん。
確かにあり得そうかも。
「皆んな良く頑張ったからな。今からは自由休憩だ。夜の花火大会終了後、各自荷物を持ってバスに乗り込むように」
私達は秀吉先輩に返事をしてから、解散になった。