第101章 夏の大三角(10)※R18
「きゃぁあああ!」
ちょっと岩の上に乗せただけ……
そんなに叫ばなくても……。
「織田先生ーーっ!こっち来ないでぇぇーーっ!!」
って。
織田先生?
へ!?
一気に現実に戻り、
急いで岩から顔を出す。
「ひまり!!」
「きゃーーっ!!」
あんなに立ち込めていた湯煙が跡形もなく消え、俺の視界にタオル姿のひまりが鬼に捕まる瞬間の光景が映った。
「騒ぐな。黙って俺の酌をしろ」
鬼はわざわざ薄い湯浴み着を着用して、ひまりを湯に浸からせ盃を差し出す。
もしかして、最初からそのつもりで!
俺か三成に秘湯の場所だけ教えて、ひまりを案内させ、自分だけ良いとこどりを。
この教師ならあり得る!!
(あんの!セクハラ教師!)
服を着たまま湯船の中に入る。腕を掴まれ巻きつけたタオルを剥がされないように、必死に押さえつけているひまりの元へ向かい……
「何やって!!この変態鬼!」
「きゃーー!何で、家康まで来るの!」
バシャバシャ!
「ちょ!こんな状況で何言ってんの!」
ひまりは俺に湯を掛けながら、鬼の腕から逃れようと必死に身をよじらせ、ジタバタ暴れ出す。