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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第100章 夏の大三角(9)




ほかほかだった三角のおにぎり。
ぼーっとしている間に、人肌ぐらいの
ほこほこ温もりに変わっていた。



私は広間の襖を開き、身体にバスタオルを巻きつけ震える二人の元に歩み寄る……所なんだけど。



「ちょっと、離れすぎじゃない?」



私は真ん中で立ち止まる。


右の壁際に家康。
左の壁際に三成くん。


二人で一緒に食べて貰おうと思って、
お皿一つに乗せた四つのおにぎり。



「三成となんか食べたくない。こっちに持って来て」

「……私も、一緒なのはご遠慮したいです。此方に来て頂けないでしょうか?」



何か喧嘩したのかな?

家康がこんな感じなのは毎度のことだけど、三成くんは珍しい。



「ひまり、早く食べたい」

「貴方の温もりが、欲しいです」



なんか変なことになってない?

つまり、私が何方かに移動しないとダメってこと??



「鬼練頑張ったし、勝ったし。ご褒美頂戴」

「数秒差で負けてしまいました。責めて、今の間だけでも」


勝ったし??
負けて??

私はキョロキョロと首を動かす。
二人は小刻みに震えながら、



「……俺は卑怯な手。一切使ってない」

「滝行は本来。身を清める修行です。なのに家康先輩の気は乱れていました」

「はあ?自分も息荒かったし。人には、言い掛かりとか付ける気?」

「私は、神聖な気持ちで想像を膨らませていましたから」



一歩も動かず、
私を挟んで言い合いを始めて……。




「折角、二人の為に作ったのに」




その場に座りお皿を床の上に置いて、ポツリと呟く。やっぱり、私のおにぎりは嬉しくないのかな……。思わずシュンと肩を落とすと、



ダダダダダダダッ!


へ!?


呆気に取られていると、


パクッパクッ!!


物凄い速さで二人は真ん中に移動したかと思ったら、私を挟みながら上半身裸でおにぎりを頬張ってて。


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