第93章 夏の大三角(2)
三成くんはサッとブラウスを拾って、
私の元に駆け付けてくれて。
「あ、ありがとう」
受け取ろうと思って、手を伸ばす。
なのに、
何故かスッとブラウスを後ろに隠され……
「ひまり先輩……そのお姿。もう暫く見たいのですが」
へ??
何故か呼吸を荒くして、ブラウスを渡してくれない。
それどころかいきなり身体を引っ張られ、背中をツゥと指で刺激され……
「あっ……み、三成くん。だ、めっ」
「はぁ……。その声ごと今すぐ、食べても良いですか?」
頬をほんのり染めた三成くんの顔が、至近距離に迫った時。
グイッ!
今度は身体を後ろに引かれ、
「三成……本気で病院送りにするよ?」
家康の声が耳を掠める。
「い、家康!!///ど、どこ///!」
ガッシリと胸に回された腕。
「あっ。通りで柔らかいと思った」
絶対、わざとだ!///
棒読みみたいな台詞。
全く悪びれがないような。
「離してよ!!///」
「どさくさ紛れに、お前まで何やってるんだ!」
政宗は二人を引き剥がして、私の身体を立たせてくれる。
やっぱり、政宗が一番頼りになる!
そう思ったのに……。
背後からスルスルと大きな手が太腿に向かって、上がってきて……。
「ま、政宗まで何して……っ!///」
「嫌なんだ。確認してやろうと思ってな?スカートの下、脱がされてないか」
「履いてます!!///」
皆んな。
暑さでおかしくなったの??
何これ……。
「補習。明日もやるぞ」
もう、絶対無理!!揉めて揉めて揉めてる内に、三人が何故か交代で補習に付き添う話になって。
私の意思なく当番を決めて、
「これで、安心して補習受けれんだろ?」
「明日は、早速私がお守りしますので」
「ひまりにお仕置きなんて。絶対、俺以外させないから」
まだ、夏休みは始まったばっかり。
私の心臓。
夏休み中、何処まで持つのかな。
それが、今、一番の悩み事かも。