第91章 『一ヶ月記念作品』時を越えるルージュ
「よく出来ました」
意地悪、家康降臨。
私も負けじと苺を指で掴み、
「はい、あ〜〜ん」
「……っ///俺はいらないし」
「ダメ!食べあいっこが定番でしょ」
ずいっと苺を差し出すと家康は赤く目元を染め、スッと私の腕を掴むと指ごと口の中に。
「な、何で指まで食べるの///」
「生クリーム勿体無いから」
甘いケーキを食べてるうちに、
段々私達の間にも甘い雰囲気が漂い……
生クリームがついた私の指を、
家康はペロリと舐め……
また、苺を掴むと今度は口に咥え……
食べるように要求してきて……
「そ、それは流石に///」
「家康君、いいねぇ〜ひまりちゃん苺越しのキスぜひ、お願いするよ」
カメラマンにそう言われ……
(だ、大丈夫!キスするわけじゃないんだし!)
うっすら瞳を開けながら、
顔を近づける。
家康は私の手の上に自分の手を乗せ、顔を少し下げて食べやすい位置まで、持ってきてくれて……
ちゅっ。
苺越しにキス。
オッケーの声が聞こえ唇を離そうとしたら、
「ンッッ……!」
後頭部を掴まれ、苺を無理やり口の中に押し込まれた。
「ひまり、苺みたいに真っ赤」
(誰のせいよっ!!///)
もぐもぐ口を動かしながら、キッと睨みつける。けど、家康は全く反省の色なし。
「そんなに可愛い格好してたら、意地悪したくなる」
「ゴックン。……普通の彼氏なら彼女に意地悪はしないもんです」
私は、プイッと顔を背ける。
すると乗っていた手が、ゆっくり指に絡まり……
「……無理。俺、ひまりが彼女だったら……」
絶対、意地悪するから。
何でそんな意地悪ばっかり言うの。
何で私はこんなに……
ドキドキするんだろう。