第91章 『一ヶ月記念作品』時を越えるルージュ
打ち合わせした三人は、スタッフさんの声に反応して私に駆け寄ってくるなり……
「やっば……///」
「おっ!か、可愛いじゃねえか///」
「はぁ……///もう天使にしか見えません」
家康のやっば!は褒めてくれたのかちょっとわからないけど。私は恥ずかしくてスカートの裾をきゅっと掴み、お礼を言う。
そして早速撮影がスタートした。
まずは、三成くんから。
二人でセットの中に入り、編集長さんの指示に従ってポージングを決めていく。
「ひまりちゃんは、体育座りして可愛く片手でクッションを抱っこして!三成くんは背中同士をくっ付けて片膝だけ立てて……」
正面からお互い体を横に向け、背中をくっつける。私は編集長さんに言われた通り、三成くんの肩に寄り添うように頭を乗せ目を閉じた。
(こんな感じで良いのかな?)
「ひまり先輩に甘えられてるみたいで、嬉しいです」
三成君も指示通り目を閉じ、ルージュを持ったまま私の手を握る。