第87章 『年頃の男の子妄想夢』家康様side※R18
俺は、
そっと涙の筋にそって口付けを落とす。
「ひまりのハジメテ貰って良い?」
ってか、断られてももう無理だけど。
俺はシュルと自分の袴の紐を解く……
すると
ひまりは俺の瞳を真っ直ぐに見て……
「ハジメテは、本当に好きになった人に貰って欲しいから」
「……っ」
やんわりと遠回しに断られ、
思わず固まる俺。
すると、ひまりは手を伸ばし……
「だから、家康に貰って欲しい///」
え……。
それって……。
俺達は抱き合い激しいキスを繰り返す。
繋いだ手の指を絡ませ……
何度も名前を呼び合い……
俺は胴着を脱ぎ捨て、
肌を重ねる。
「ひまりと、全部繋がりたい」
「私も。だって家康のこ、とが…」
ガバッ!
「俺も!!俺もずっと……!」
ひまりのコトが……!
(あれ……?何か固い……)
しかも、デカイ。
「き〜さ〜ま〜!誰と間違えてる?」
「げっ!!!」
俺は慌てて腕を離し、ピクピクと眉を動かす鬼顧問を見て……
「うげっ………せ、っかく今から…」
気分が悪くなり、口元を手で覆う。
一番イイところだったのにさ。
「貴様は!校庭百周だ!!今すぐ行け!!」
妄想の中でさえ、
ひまりのハジメテを貰い損ねた俺。
(ほんと、泣きそう……)
「珍しいな。家康が言いつけ守って、百周走るなんてよ」
「よっぽど、無心で走りたくなる理由でも有るんじゃないですかね?」
(くっそ!あの鬼〜〜っ!!)
「何で三人、校庭走ってるんですか?」
「貴様は、罪深き女子だ」
「???」
家康の妄想が現実になるのは……
もうすぐ?まだ先?
家康様編〜完〜