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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第83章 『七夕の織姫レシピ』



(姫主side)


コンコン。

後片付けが終わり、
私は、家康の扉をノックする。
すると、どうぞ。と今朝のメールみたいに素っ気ない返事。

クスッと笑った後、扉を開けて部屋に入る。すると、机の上の短冊と睨めっこしているのが見えて……。


「今年は、違うの書けそう?」


おばちゃんから、家康が小さい頃いつも同じお願いごとを書いてたと聞いて、悪戯っぽく聞いてみる。


「……まぁね」


教えてあげないけど。
椅子に座ったまま、ボソッと呟く家康。

そこは譲れないみたい。

クスクス笑いながら、
家康の部屋にあるベランダに出る。


晴れた夜空。
乳白色の川のような光。
夜空を横切る帯状の星の群れ。


「凄い、綺麗ーーっ!」

「……薄着で出ると、風邪引くよ」


フワッ。


白いオフショルダー姿だった私。
剥き出しだった肩に、
掛けられた一枚のパーカー。

家康の香り。

ありがとう。そうお礼を言って、
肩を並べ、二人で天の川を見上げる。



「……手料理、ご馳走さま。美味しかった」


「なら、良かった!さっきは、普通に。とか素っ気なかったから、心配してたんだよ!」


顔を向けてそう言うと、家康はきまりの悪そうな表情を浮かべた。


俺にも色々事情があるから仕方ない。って途端に拗ねたかと、思えば……




「……早く、お嫁さん。欲しくなった」




家康はベランダの手すりに肩肘を付き、軽く身体を預けると……。




「一日限定じゃなくて。毎日、お出迎えしてくれるお嫁さん」



織姫と彦星みたいに、
今日しか逢えないとか俺は嫌だし。



家康の真剣な顔。

私の方に向いて……



トクンッ……


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