第83章 『七夕の織姫レシピ』
流石にそろそろ参考書を、読んだフリをするのを止めようとした時だった。
完成した、五目寿司の桶前。母さんは仕上げに、秘密の調味料を入れるのが、我が家の秘伝とか言い出して……。
「やっぱり愛情が、一番必要だからね〜はい!ひまりちゃん!頑張って!」
「う、うん!///」
何する気?
俺はただ静かに見守っていた。
料理が完成する瞬間を。
「家康が、美味しく食べてくれますように///」
…………。
思考が止まる。
…………。
そして、動いた。
(〜〜〜〜〜〜っ///)
可愛く魔法をかけるような仕草をする、ひまり。
(こ、この、お姫様///意地悪すぎだし)
何言ってんの!///
何やってんの!///
「ほら、ひまりちゃん♡もっと、愛情込めてあげてね♡」
ひまりと俺で完全に遊んでるし!!
(こうなったら耐えるしかっ!///)
「だ、大好きな家康に……っ///」
(た、耐えない……と…っ)
参考書を持った手が、
ワナワナと震えだす……。
「私の……全部……///」
(くっ……やばい……っ)
組んでいた方の脚が
ガクガク震えだす。
「食べて貰えますように///」
(もう、壊れそう……っ///)
俺の全部が。
料理がやっと、完成。
その頃、俺は悶えて悶えて……
甘い拷問にやられていた。