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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第81章 「白詰草の花嫁(11)家康様編」家康様side




「家康のこと、急に真っ直ぐ見れなくなったり。家康のこと考えると、胸がぎゅってなって、苦しくなったり、眠れなくなったりして……」



ひまりは、
髪をくしゃりと握り赤面した顔を隠す。



「い、今のもっ!……ちゃんと真似事なのわかってるんだけど」



ちゃんと、
返事したくなるって言うか……。



「うぅ……。上手く言えないんだけど。家康に触れられると、どんどん色んな事がわからなくなって」



凄く困ってるの。


もじもじと動くひまり。



(何それ……)



そんなの、まるで俺のこと……。



バッ!


俺は飛び出しそうな心臓を抑えるように、口を手で塞ぐ。
ばくばく煩く鳴り出す鼓動。



「家康、好きな人いるのにごめんね。幼馴染の私がこんな、意味のわからないことばっかり言って困らせて」



今度はシュンと肩を落とし、
ひまりは俯く。


(ってか、待って!やばいし!可愛いし!何なの!このお姫様)


無自覚なのは、良い加減にして欲しいけど、自覚なさすぎて凄いこと口走ってるし。


(何て言ったら良いのか、本気でわかんないんだけど!)


至ってひまりには、普通に見えてるかもしれない。けど、今の俺は冷静なんてほど遠い所に居る。


「家康??やっぱり、困って……」

「困ってない!ぜ、全然普通だし!ってか、寧ろ嬉しくてやばいし!」


何とかして、気付かせる!


俺は頭の回転を使い息を整え、
ある案を思いつく。


「なら、宿題」

「宿題??何の??」

「夏休み中。何で、そんな風に思うのかちゃんと考えて」

「ちゃんと……?」

「俺の気持ちとか別に、考えなくて良いから。……ひまりが自分の気持ちと、ちゃんと向き合う宿題」

「私の気持ちと向き合う……」


触れられるとわからなくなる。ひまりは言ったけど、それは逆だと伝える。


「それは、答えに近づいてる証拠」


俺は、ひまりの身体を更に引き寄せ腕の中に閉じ込めた。


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