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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第79章 「白詰草の花嫁(9)家康様編」家康様side




「じゃーな。ひまり!文句は受け付けねえから」

「幸のばか〜〜〜っ!」



ムスッとして、俯いたまま隣を歩くひまり。
口聞いてくれそうにないし。


「いつまで、拗ねてんの?俺が勝つから問題ないし」

「問題大アリだよ!」



まぁ……ひまりからしたら、不本意だろうけど。


少し考えた後……。



(俺は負けない、絶対に)



手を繋ぐ。



途端に顔を上げるひまり。




「俺が絶対に勝つ。そしたら、無理にしなくて良いから」




それなら問題ないでしょ?




折角。人がそう親切に安心させてあげてんのに、




「……家康が勝つのはわかってるもん」




ただ……戦利品って言い方はやだ。





ひまりの瞳が。





「……私からのキスは家康にとって、ご褒美になる?」





明らかに変わっていた。

ぎゅっと握り返された手。



(何なんの、ほんと……)



そんなの言われたら、
期待以上に期待するよ。
湿った風が駅前に吹く。

ひまりの顔にかかった髪。

そっと耳にかけ、



「明日の放課後。石碑の前で待ってるから」



ポケットの中の紙袋。

渡さないと。


まだ、あの時の言葉聞けてないし。


ーー思って貰えるなんて……


最低、それだけは教えて貰わないと。
気になってまた、眠れなくなるんだけど。


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