第77章 「白詰草の花嫁(7)秀吉様編」
慌てて自己紹介をすると、
「ご、ごめんなさい!私、戦国学園の姫宮ひまりって、言います!」
「戦国学園だと……?」
ギロリと睨まれ、思わず苦笑いをしてしまう。何か、氷をイメージしたような人。ちょっと、怖い。
「謙信先輩。いくら、女嫌いでも睨むのは止めて下さい。一応大事なダチなんで」
幸が背中で私を庇ってくれて、
「お前……。俺の女になれ」
「へ!?」
「な!?無理、無理!こいつはっ……ちょっと先約が……」
先約?って何の話?と、幸に尋ねるけどはぐらかされてしまい……。
「お前も、弓道部なのか?」
「は、はい!今度の大会が初出場なんですけど……」
お前もって事は、この人も弓道部なのかな?幸はとりあえず自己紹介をしてくれた。
春日山学園の三年生。
上杉謙信。
弓道部の部長。
今日は大会前に弦を張り替える為、二人で弓具屋さんに買い物に来てたみたい。
「あっ!私も雑貨屋さんに行くんだった!」
「付き合ってやろうか?」
「え!いいよ!チラッと見に行くだけだから!」
テスト期間だから、急いで帰らないといけないしね。そう言うのに、幸に肩を押され……。
「今すぐ、俺の女になれ」
謙信さんには、何故か手を引かれ雑貨屋さんに向かった。