第71章 「白詰草の花嫁(1)光秀様編」
走り出した車。
清潔感で溢れた車内。
先生の横顔をチラッと盗み見る。
運転する横顔。
きめ細やかな綺麗な肌。
(本当に絵から飛び出した人、みたい)
思わずじっと見ていると、赤信号で止まった、瞬間……。
先生は視線だけ横に向け、
「あまり見るな。……意地悪されたいのか?」
「ご、ごめんなさい!意地悪は結構です!」
「嘘を吐くな。……嬉しいのだろう?」
俺に意地悪されるのは。
先生の顔が降りてくる。
ちょっとでも車が揺れたら、
キスしそうな至近距離まで……。
(早く、信号変わって〜〜っ///)
心の中で懇願していると、
「なんなら、このまま何処かに……」
シートに置いてあった手。
それがゆっくりと、
私の膝の上に降りてきて……。
「連れてってやろうか?」
「だ、だめです!///」
スカートの中に入ってくる。
私はその手を静止して、
「先生///ちゃんと、前見て下さい///」
青信号に変わった事を伝える。
赤面する私に、先生は満足そうに笑い喉の奥を鳴らす。
「やはり、お前の反応が一番良い」
(また、てるてる坊主作らないと!)
雨の日の危険を感知した私。
真っ暗な空に、帰りまでは晴れて欲しいと無理なお願いをした。