第294章 〜ending〜卒業式〜
全員が集合した石碑前。
すると風がブワッと吹いて、春の香りを舞い込んで次の瞬間にはピタリと止んだ。
「卒業式ぐらい、大人しくできんのか?」
「一体、どんな記念を作る気だったんだ?」
信長、光秀。
「お前ら、なかなか来ないから探してたんだぞ」
「まぁ、すぐにここだと思ったけどな」
「お二人の思い出の場所ですからね」
「……大事なね」
秀吉、政宗、三成、信康。
「ねぇ!折角だからここで記念撮影しない?」
「いいわね!!」
弓乃、副部長。
そして……
「なら、俺がカメラを撮るよ」
佐助。
「ふふっ!前にもこんな事あったね!」
「……だね」
ひまりと家康は顔を見合わせて笑う。
永遠の地と書かれた石碑の両サイドに片手をついた、光秀と秀吉。その秀吉の隣には信康が立つ。
信長は石碑の裏に回り真ん中で仁王立ち。石碑の前の真ん中には家康とひまりが座り、家康の隣には三成と副部長がしゃがみこみ、ひまりの隣には弓乃、政宗がしゃがみこむ。
蕾つけ始めた桜の木をバックに、佐助は脚立を立てると、全員が入るようにアングルを整える。
まるでそれは秋に二人が想いを交わしたあの日のように……
「では、スマイルお願いします」
無表情の佐助がほのかに見せた笑顔。
全員がそれに驚いた後、笑顔になる。
「そう言えば、この人誰??」
「謎の大学生だ」
弓乃の問いかけに政宗はにやりと笑って答える。
「前の時、そう言えば時先輩……どうしてここに……?」
「三成くんを探していたら、何だかここに呼ばれたような気がして……あまり良く覚えてないんだけどね」
副部長は小首を傾げながら答えると、三成は「そうですか」と短い返事をして手を握った。
「もうキスはダメだからね!」
「はいはい」
「そう言えば、その書物どうしたの?」
「……後で見せてあげる」
ふと、ひまりが気になったのは家康が持っていた書物。信長から記念品に貰った物だ。
「では、1000+59は?」
「「「戦国ーーっ!!」」」
パシャッ。
全員が笑顔になった瞬間。
シャッターが切られた。