第294章 〜ending〜卒業式〜
久しぶりの二人との再会。
副部長のことは時折、三成くんに聞いていたけど、なかなか日程が合わずあんまり会えていなくて……
「副部長!!大学ライフ楽しんでますか?」
「いつまで副部長なのよ。満喫してるわよ。この前は三成くんも来てくれてね……」
話が盛り上がる。
「卒業おめでとう。目、真っ赤だぞ」
「まさか秀吉先輩まで来てくれるなんて、思ってなくて……嬉しいです!」
それから外の門前でいっぱい写真を撮り、クラスの男子が織田先生の所に行こうって言って、学園長室に皆んなで乗り込む。
「き、貴様ら腕を引っ張るな!」
「学園長でも、俺ら三年B組の担任の先生じゃないですかー」
「教室で写真撮ろうーっ!」
「それいいねっ!」
皆んなで教室に向かって、下級生が書いてくれた黒板の「卒業おめでとう」をバックに写真を撮ろうとした時。
「ちょっと待って!やっぱりこれはやっとかないと!!」
「あ?……って、お前。なんつーもん書いてんだ!?」
「いーじゃないのー。ほら、ひまり達も」
「うんっ!!」
皆んなに冷やかされながら書いた相合傘。
「何か懐かしいね……でも、ふふっ。自分で書くのは初めてだね!」
「……だね。中学の時も、二年生も書かれてたからね」
徳川家康。
姫宮ひまり。
並んだ二つの名前。
ーーねぇ、お母さん。
どうして私にひまりって付けたの?
ーーずっと二人で決めてたのよ。ある時期になるとね一面に咲いた花畑にねひまりって名前の花があったの。そこでお父さんにプロポーズされたのよ。
両親がつけてくれた名前。
私はそれを大切そうに見て……
「ほら、写真撮る前に泣かないの」
一番前の真ん中にゆっちゃん、私、家康、政宗で座る。こっそり手を繋いで撮ろうとしたら……
「相変わらずラブラブだね〜」
「結婚式呼んでねー!」
皆んなが笑う中、
私は真っ赤になって写真に映った。