第294章 〜ending〜卒業式〜
卒業式が終わると、
一斉に駆け出した男子生徒多数。
お目当てはなんと……
「玉砕覚悟出来ました!ずっと好きでした!」
「徳川がいるのは分かってる。けど、諦められないんだ!」
ひまり。
あれよと言う間に下級生、同級生の男子生徒に囲まれ、手紙を差し出される。
「へっ!?皆んなっ何の冗談を……」
「やっぱ自覚なし子だったか。お前を想ってる男子、うじゃうじゃいたぞ」
政宗はやれやれと言うように肩をすくめる。
「徳川がいない今がチャンスなんだ!」
「手紙を受け取ってくれるだけでも、構いませんっ!」
「ちょ!ちょっと待って!そんないっぺんに言われてもっ!」
今まで散々家康が邪魔をしてきたせいで、モテ期と言う言葉を知らずに過ごしてきたひまり。今、家康が不在の中、モテ期到来してあたふためく。
以前、手紙ぐらい受け取ればいいのにと家康に言った手前、どう対応していいのか全く見当がつかない。
「あちゃー。卒業式を狙ってきたか」
「ゆ、ゆっちゃん!ど、どうしたら良いのっ!?」
(このままだと、ひまり。一人ずつ丁寧に断りそうね……)
それだと写真を撮る時間がなくなると踏んだ弓乃は、はいはい順番ねーと、まるで芸能人のマネージャー気取り。
「これは、家康が来た時。見ものだな」
「きっと驚かれるでしょうね。……それにしてもう、そろそろですかね?」
それを見ていた光秀は喉奥を鳴らして、三成と共にある二人が到着するのを待っていた。