第294章 〜ending〜卒業式〜
校門前___
ぞろぞろと歩く生徒が多数。
一人で歩く生徒、友達や恋人と歩いている生徒、誰と歩いているかは人それぞれで……皆んな表情も様々だった。
晴れやかな表情だったり。
哀愁が漂っていたり、
清々しい顔をしていたり……
そんな中……
見つけた二人の背中。
「ひまりおはよー!」
「ゆっちゃん!おはよー!」
私達は目が合うと挨拶を交わして抱き合う。
「いっぱい写真撮ろうね!」
「うん……!!ゆっちゃん!大好きっ!」
いつも辛い時、側にいてくれたゆっちゃん。一年生の時に同じクラスになって意気投合して、それからずっと三年間大親友。
2年生の時の夏の大会では団体戦に一緒に出て、優勝した時には沢山泣いた。一番の思い出。
「お前ら何でも良いけど、今から泣くなよ?」
「わ、わかってるわよ……」
「う、うん……後でゆっくり……ゆっくり……っ……」
思わず涙ぐんだ私達に政宗はすかさずそう言うと、家康に向かって手をあげる。
「俺らも抱き合っとくか?」
「何の悪い冗談?……絶対無理」
「ぷっ、政宗。振られたわね〜」
「ふふふっ……」
私達四人は昇降口で卒業生の印、赤い花を左胸に下級生に付けてもらい教室へと向かった。