第293章 あなたに何度でも〜エピローグ〜
その日の帰り道___
「……ここは潔く叱って貰え」
「……はい」
「言われなくても分かってます」
織田先生に送ってもらって、俺たちはまだ窓明りがついた一件の家を見て、頷き合う。
俺は意を決してひまりの手を握り……
玄関の扉を開ける。
すると……
「もうっ!心配したのよ!ちゃんと連絡ぐらい……ほんとに………もう」
「家康も!誕生日くらい帰ってきてくれないとっ!……心配した……んだからねっ」
「きゃんきゃん!」
母親二人が涙ぐみながら、
俺たちに駆け寄ってくる中。
「家康くん。ひまり。事情は聞かない。ただ、当分二人は外出禁止だ」
「大事な娘さんをこんな時間まで連れ回したんだ。分かってるね、家康」
父親二人は真剣な顔つき。
「言い訳はしません。本当に申し訳ありませんでした」
「本当にごめんなさい!」
俺たちは手を握り合ったまま、
深く頭を下げた。