第293章 あなたに何度でも〜エピローグ〜
粉雪が舞う中……
「誕生日の祝いは明日だな」
「あら?怒っていた割にはちゃんとお祝いするのね〜」
ひまりの家の玄関先に出た時。
ピロンッ!
一件のメールが届く。
『上、見てくれる?』
父さんと母さんに先に行って貰い。
『……見たよ』
俺が短いメール文を返すと……
カラカラッ……。
明かりがついたばかりの部屋の窓が開く。
ピロンッ!
『ハッピーバースディ』
日付が変わる一分前。
ポスッ。
頭上から落ちてきた、プレゼント。綺麗にラッピングされた中身を開けると……
出てきたのは、
俺の瞳と同じ色のマフラー。
『……ありがとう。大事にする』
ピロンッ!
『また、明日!学校でね!おやすみなさい』
ひょこりと顔を覗かせたひまり。手をひらひらさせ、窓を閉めると部屋の中に戻っていく。
俺はマフラーを早速巻くと……
「また、明日。……学校でね」
そう夜空に向かって呟いた。
永遠に続く愛。
それは天邪鬼な俺がひまりを愛した……「学園物語」
〜fin〜