第293章 あなたに何度でも〜エピローグ〜
「ねぇ?どうゆう意味?」
「……内緒」
私にこれ以上追求されるのを拒むように、プイッと横に顔を背けた家康。「ひまり似とか……」って、何やらブツブツ言っては口元がにやけてて……ますます私は頭の上にクエスチョンマーク。
その様子にぽかーんとしていると……
ぽんぽんっ。
誰かに肩を叩かれて振り返れば、
至近距離できらりと光った眼鏡。
「佐助くんっ!ちょ、ちょっと近くない!?」
「君に見せたいものがあるんだ」
「見せたいもの???」
私がそう尋ねれば……
「……俺からの贈り物だ。有り難く思え」
「……折角だ。ひまり、目を閉じろ」
「え?え?」
織田先生の声に続いて、秀吉先輩の声がしたと思ったら、急に視界が真っ暗になって……
「ほら、こっち……」
家康に手を引かれ……
私は困惑しながらも何処かに案内されていく。
「…………目、開けて良いよ」
ゆっくりと持ち上げた瞼。
最初は暗闇で何にも見えなくて……
でも……
月明かりが注いだ……
次の瞬間には……
「…………永遠の地へ…………」
涙が溢れ出した。
「ここでもう一回、誓おう」
俺たちの永遠を……。
新しくなった石碑。
それが立っていて……
「約束の玉ももう一回、石碑に埋めてある」
「姫、これ……」
天鏡が私の手のひらに何かを乗せてくれた。
「ヘアピンとイヤリング……それにピンキーリング………」
「……かして。付けてあげるから」
ヘアピン、イヤリング……
そして……
最後にはめられたピンキーリング。
家康はここらから先の言葉はプロポーズに取っておきたいからって、照れ臭そうに笑うと……
「……愛してる」
私にしか聞こえない声量で……
そう愛の言葉を囁いてくれた。