第293章 あなたに何度でも〜エピローグ〜
昼休み___
保健員の私は放送で呼ばれて、保健室に向かう。
ドアノブに手をかけて……
(やっぱりノックはした方がいいよね!)
コンコンッ。
「失礼します」
「姫宮か。このプリントを学年の掲示板に張り出してくれないか?」
ひらりと翻った白衣。
薬品匂いが漂う、清潔感のある保健室。私は先生から書類を受け取ると、その場を後にする。
(確かラッキースポットって……)
保健室を出て廊下の窓から見えた花壇。この奥に裏庭がある。朝の占いを思い出した私は放課後にでも行ってみようかな?なんて考えながら横向きに歩いていると……
ドンッ!!
誰かと肩がぶつかって書類が床に散らばった。
「すいませんっ!」
私は慌てて先輩二人に頭を下げる。
「こっちこそ悪かった」
「はい。これ」
「ありがとうございます!」
散らばった書類を拾ってくれて、差し出してくれる。私がお礼を言って受け取ると……ちょうど予鈴のチャイムが鳴った。
(いけない!急がないとっ!)
パタパタと廊下を忙しく走り……
掲示板に向かって手を伸ばす。
「良ければ手伝いますよ?」
すると、通りがかった図書委員の一年生の男の子が手伝ってくれて、何とか授業に間に合った。
午後からの授業。
何かが違う……
そんな違和感はずっと取れなくて……
全然集中できないまま……
気づいたら放課後になっていた。