第287章 あなたに何度でも(7)
急遽、神社へと向かうことになった俺はムスッとして馬に跨る。
一刻も早く永遠の剣を見つけたい。
けど、一向にそれらしい物は見つからない。剣って言うぐらいだから刀か何かだと思ってはいるけど……刀なんてこの戦国時代には溢れている。
佐助の話では次にワームホールが現れる可能性が高いのは満月の日だと言っていた。
(それまでに何とか……)
「家康?どうした不機嫌そうな顔して」
「別に何でもありません」
呑気に馬乗ってる場合じゃないと内心思いながらも、隣から伸びてきた手に頭をぽんぽんと叩かれ懐かしい気分になる。
今頃、ひまりもこうして励まされているのだろうか。
「秀吉せ……秀吉さん。永遠の剣って聞いたことあります?」
俺は試しに聞いてみる。
そんな簡単に見つかる物じゃない気はしている。けど、少しでも何でもいいから情報は欲しい。
「永遠の剣?……神事に使うと言われているアレのことか?」
「神事に使う!!それ、何処にあるんですか!?」
まさかそんな情報が得られると思わなかった俺はひっくり返りそうな程、驚き声を上げて、思わず馬の手綱を引き止まる。
「いや、何処って言われてもな。単なる言い伝えだ。俺も詳しくは知らないが……何でも天女が神に身を捧げる時に舞を踊る道具の一つが永遠の剣とかなんとかな」
「天女が神に身を捧げる……」
「ちょっとしたおとぎ話だ。それよりも雨が降りそうだからな、急ぐぞ」
颯爽と走り出した一頭の馬。
(もしかしたら、天女のひまりに聞けば……何か分かるかも)
俺は暫く考え込みながら……手綱をしっかりと持ち直すと、あとに続いた。