第273章 天邪鬼の愛〜真紅〜(15)※R18
ねぇ、この時。
一体どんな想いを抱いて私を抱いたの。
それだけでも教えて欲しかった……。
チャプンッ。
陶器で出来た真っ白で丸い大きなバスタブ。そこに赤い薔薇の花びらが浮かんでいて流石、スイートルーム!って一人ではしゃぐ。湯加減もちょうど良くて、まるでお姫様気分。
(ん〜良い気持ち〜)
私は足を伸ばして、サラサラとお湯をすくうと薔薇の香りが鼻を擽る。
(今日、すっごく楽しかったなぁ〜)
今日の思い出を蘇らせながら、私はリラックスしていると、カラカラカラッ。
「きゃーっ!!///」
バシャッバシャッ。
「ちょっ!何でお湯かけるわけ!?」
「な、な、な、な、んで入ってくるのーっ!///」
タオルを体にきゅっと巻きつけて、叫ぶ私に家康は……
「普通に入るでしょ?二人っきりなんだし」
しれっとそう言って……
「……一秒でも長く一緒にいたい。……それが理由じゃだめなの?」
後ろから私を抱きしめた。極め付けにそんな台詞を言われたら、大人しくするしか出来ない。ダウンライトでそこまで明るくないとは言ってもやっぱり恥ずかしくて、口をもごもごしていると……
「…………こっち向いて」
その声に導かれるように、私は顔を後ろに向ける。濡れた家康の髪。そこから雫がぽたぽた落ちて、私が思わず片目を瞑ると……キスが次々に降り注ぐ。
「んっ…………い、えやす。のぼせちゃ……う……」
「………おいで」
向き合って私は座り直すと、体が半分くらい湯船から出る。頼りなく巻きついたバスタオル。キスに夢中になっている間に胸元からゆっくり解けて、見られる寸前で家康の体に押し付けるような形で隠した。
「…………花びら付いて綺麗」
「こんな……とこで……だめぇ……」
家康は私の体に纏わり付いた薔薇の花びらを、唇で数枚挟んでとると胸の先端にちゅってしてそのまま口に含んだ。
「…………もう、ピンク色になってる」
「あっ、……だめだってばぁ……」
軽く抵抗する私なんてお構い無しに、家康は執拗に愛撫を繰り返す。