第271章 天邪鬼の愛〜真紅〜(13)政宗様×弓乃※R18
(ほんとばか……心の準備。ちゃんとしてきたのに……)
胸を隠すように腕を交差させて、泣き続けれていると、ふわりと背中が浮いて、全身に温かいぬくもりが広がった。
逞しい腕に抱き締められて……
私の涙が止まる。
「……俺はお前が欲しい」
「ま、さむね……」
「胸の大きさとか。初めてとか。んなもん、関係ねえ。……聞こえんだろ?俺の心臓の音」
(心臓の音……?)
耳をすませば聞こえてくる。
トクトクトク……
早く鼓動を打つ音。
「俺だって初めてだ。本気で好きになった女を抱くのは……」
くっ付いていた身体に空間が少し空いて、目が合う。真剣な瞳。その瞳の下が少し赤く染まっていて、嘘じゃないことを教えてくれて……「政宗……」私は弱々しく名前を呼ぶ。
「本気でやめて欲しかったら、やめてやる」
私の返事を待つように、
政宗は頭を撫でてくれて……
自分がどれだけ愛されて、大切にされているかその手つきから、いやってぐらい伝わる。
「……や、めないで」
見てみたい。政宗が私に夢中になるところが。そう思ったら不安は飛んでいて……政宗はそれ以上、何かを口にすることはなく……パサッ。着ていたトレナーを脱ぎ捨てると……
「……好きだ。弓乃」
低い声でそう囁き、私に覆いかぶさる。するすると一枚ずつ脱がされていく私の服。
「はぁ、っ……んんっ……」
「もっと、声。聴かせろ」
気づいたらショーツ一枚になっていて、貪るように愛撫された胸の先端はピンク色に色づいて、ツンと上を向いていた。