第257章 『一周年記念作品』学園祭♡二日目
全てのライブステージが終わり、優秀賞の発表。見事に男子部門では戦国ブラザーズが選ばれ……女子部門はバスケ部と弓道部が接戦になったが、僅かな僅差でひまり達が選ばれた。
「くーっ!悔しいですわ!貴方達に負けるなんて!」
「女子弓道部は普段からアクシデントに慣れてるのよっ!何たって顧問が織田先生だからね!」
弓乃は鼻をツンと上げ、得意そうに腰元に両手を当てる。
「ゆっちゃん!それ理由になってない気が……築城さん!準優秀賞おめでとう!」
「……貴方。それ嫌味かしら?」
嫌味?ポカンとしたひまり。純粋に心からお祝いしたのだが、どうやら築城からしたらそれは嫌味にしか取れないらしい。
「さて、晴れて焼肉打ち上げはゲットしたし!食べまくるぞ〜っ!」
「お前。スカート短すぎだ。早く着替えてこい。あと食い意地だけは張ってんな。……ヨダレ。垂れてるぞ」
へ!?と、近寄ってきた政宗にそう言われ、弓乃は慌てて自分の口元を拭う。しかし、次の瞬間には嘘だとわかり……ぷんすか怒り出す始末。
「家康達も優秀賞おめでとう。……格好……良かったよ」
少し間が空いたのは、きゃーきゃー女子生徒に騒がれていたのを思い出したからだ。家康もひまりがいつもと様子が違うことに気づき、あながち秀吉が言っていたことは外れてないことを悟る。
「……ってか。拗ねたいのこっちだし。なにあの仕草?」
「え?仕草???」
「髪掻きあげて、男子達にサービスしてた」
「サービスなんてしてないよ!あれは、演出で!!家康だって、手を挙げて声援に応えてたよ!」
「始まったな」
「始まったね」
痴話喧嘩を始めた家康とひまりの隣で、政宗と弓乃は顔を見合わせて吹き出す。