第257章 『一周年記念作品』学園祭♡二日目
披露したのはキレッキレのダンス。
直前でリハーサルをしたのにも関わらず、息もぴったりでそれぞれの持ち味を生かす。
「未来へ〜♪」
可愛くウィンクをするところだったのを、ソロパート曲に合わせて色っぽく長い髪を搔き上げるひまり。
「「過去へ〜♪」」
弓乃は剥き出しになった細い脚を指でゆっくりなぞり、副部長はくびれた腰元に手を当て、セクシーポーズ。
「「「お〜〜〜〜っ!!」」」
(これはたまんねー///)
たちまち男子生徒は雄叫びをあげ、ペンライトを振りかざして大興奮。中には刺激が強かったのか鼻を押さえる生徒まで。そんな様子をさぞ面白なく見ていた彼氏と彼氏候補の家康、政宗、三成。ギロリと近くにいた男子生徒を睨んだ二人と、珍しく目をスッと細め険しい顔つきをしたのは三成だ。
「何であんな仕草。……俺の前だけにすれば良いのに……」
「あいつ。スカート短すぎじゃねーか」
「時先輩の腰元は私のです」
最後の三成が放った言葉の真意はわからないが、表情は真剣そのもの。
「意外とさっきはひまり達が、妬いてたかもしれないな」
「何でひまりが妬くんですか?」
秀吉の言葉に家康はムスッとする。すると、さっきは自分達がきゃーきゃー騒がれていたからだと答えた。
「フッ。終わってからも声を掛けにこなかったしな」
「確かに。珍しく家康まで愛想振りまいてたしな。くっ」
「あれは、秀吉先輩が焼肉の為に辛抱しろって言ったからで……別に好きでやった訳じゃ……」
不貞腐れたものの言い方をすれば、すかさず秀吉にまぁまぁと落ち着くように言われ、家康は仕方なくそれ以上口にするのは止め、ステージで華麗に歌って踊るひまりの姿を脳裏に焼き付けた。