第257章 『一周年記念作品』学園祭♡二日目
マイクを持った信長が歌の間に吐息を零せば、卒倒する女子生徒は多数。光秀は保健室に運ばれてゆく人数をステージから見て、ライブ後、満室になった保健室を想像しては頭を抱えた。
「盛り上がっていくぞ!」
いよいよラスト。
アクロバティクな技を決めてゆく、ダンサー五人。しかし、やはりここで三成がお約束。
「ちょっ!何やってんの!?お前の位置はあっちだし!」
「そうでしたか?練習ではこっちだった気が……」
「ったく。相変わらずだな、お前らは」
政宗は苦笑い。
「三成……。練習中も間違えていたぞ。仕方ないな」
ここは何とか秀吉がカバー。真ん中に立ち、ソロダンスを披露して、立ち位置が戻る間の注目を集める。
「きやぁぁああーっ!」
「秀吉先輩ーっ!素敵ですーっ!」
声援に応えるように、顎に手を置き決めポーズをすればまたもやときめき被害者続出。会場から女子生徒の数が減ってゆく。
「凄いな……」
信康が感心するようにぽつりと呟けば、光秀はさらに頭を抱えた。
「さぁ!うちらも着替えに行こう!」
「そうだね!私達も頑張ろう!」
「バスケ部には負けたくないしね」
ひまり達はいそいそと更衣室に向かう。本当はまだ少し時間があり一言だけでも声を掛けたい所だったが、手を挙げ女子生徒の声援を受ける家康達の姿を見て、それを止める。
「何で愛想振りまく必要が……ぶつぶつ」
「今日ぐらいは我慢しろ」
文句ばかり零す家康の頭を秀吉はぽんっと叩く。まさかひまりがそんな姿にやきもちを焼いてるのは知らず……渋々一礼をしてアンコールに応えた。