第257章 『一周年記念作品』学園祭♡二日目
その時、ステージ裏に現れたのは女子弓道部員。それぞれの格好を見て「似合うーっ!」「決まってるーっ!」と、口々に騒ぎ出す。
「ふふっ!私達の出番は最後だから、観客席で応援してるねっ!」
「……まだ、着替えてないの?」
「ゆっちゃんが汗かくと嫌だから、出番前に着替えようって!頑張ってね!」
ひまりは手をひらひらさせ、ステージ裏から出て行く。すると「準備はできたか?」と、黒のシャツに黒ネクタイ、黒のゆるめスラックスを履いた信長と、白シャツにグレーのネクタイ、グレーのストレートパンツを履きこなした光秀が現れる。
「では、いざ!戦国ブラザーズ!いくぞ!」
秀吉の掛け声に合わせ、会場にサウンドが鳴り響く。バックダンサー五人、左から家康、三成、秀吉、政宗、信康は立ち位置に立つ。そしてスタンドマイクの前に信長、光秀がたてば沸き起こる大歓声。
そして出だしの歌が始まり、五人はそれぞれの踊りを披露。息ぴったりに揃えたり、フォーメション移動や、ソロパートをこなしてゆく。
観客席にいたひまり達は……
「やばいやばいって!」
「三成くん転けたりしないかしら?」
(カッコいい〜///)
自分達の彼氏、彼氏候補を見てぽーっとときめく。女子生徒達の大半はその状態だ。
「織田先生ーっ!明智先生ーっ!」
「戦国プリンス様ーっ!!」
「三成くーん!政宗くーん!」
「家康くーん!信康くーん!」
必死に名前を叫び続ける。それには、ひまり達も流石に嫉妬。
「何か複雑な気分ね」
「う、うんっ……」
「政宗ーっ!政宗ーっ!」
胸にざわざわとしたものを感じた副部長とひまり。やはり彼女としては複雑な心境だ。弓乃は嫉妬心を剥き出して、女子生達に対抗するように叫び続ける。