第256章 『一周年記念作品』学園祭♡一日目(後編)
しかし、会場は大盛り上がり。
「では、最後にアピールということでひと組ずつ一言お願いします」
佐助がそう言えば、自称いっちゃんはマイクをサッと三成と副部長に向ける。
「結果はどうであれ、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました」
三成はにっこり。
「ほんとね。楽しかったわ。皆んな、ありがとう」
ほのぼのした雰囲気で二人は笑い合い、同時に頭を下げた。次は政宗と弓乃の番。
「まぁ?良い線いったんじゃねーか」
「皆んなーっ!清き一票!お願いしまーす!」
政宗の隣で高らかに手を挙げた弓乃。選挙か何かと勘違いしているのか、ご機嫌笑顔で愛想を振りまく。
そして、家康とひまりペア。
「……何でもいいけど、ひまりのこの格好。俺の前だけにして欲しいんだけど」
「もう〜///恥ずかしいからっ///よ、宜しくお願いします!すっごく楽しかったです!」
相変わらずな二人。家康はひまりを後ろからすっぽりと抱き寄せると、細いウエストラインに腕を絡ませ頬同士をくっつけた。
「家康。ひまりは自分のだとアピールしてどうする。また、減点して欲しいのか?」
「くくくっ。まぁ、俺もなかなか楽しめたな」
「いよいよか……」
最後に秀吉がそう呟くと、佐助の司会はヒートアップ。では、ボタンを押して下さい!の言葉に生徒達は一から三の数字が書かれたボタンを一斉に押す。舞台に上がった三つの得点板。どうやら一気に数字を割り出して勝者を決めるようだ。
「さて、恋も勉強も下克上!!」
「今年!選ばれたナンバーワンカップルは!?」
佐助と自称いっちゃんも緊張したように、マイクをグッと握りしめる。六人も食いつくように得点板に視線を向け、数秒後には大歓声が鳴り響き……
「おめでとうーー!」
「戦国武将ー!戦国姫ー!」
「では、織田先生より豪華景品を授与して頂きましょう!!」
あるカップルが驚異的な数字を叩き出して、カップルコンテストは終了した。