第256章 『一周年記念作品』学園祭♡一日目(後編)
そして恥ずかしそうにひまりは顔横で人差し指を立てると……
「美味しくな〜れ///美味しくな〜〜れ///!!」
くるくるしと回しながら、呪文らしき物を唱える。
(か、可愛すぎてやばいっ///ってか、ひまりのがっ///)
「家康。今、ひまりのが美味だと思わんだか?」
口角をあげた信長。家康は図星を突かれギクッと肩をすくめると「べ、別に」と気まずそうに目線を逸らす。
「ご、ご主人様///美味しくなったので、食べて下さい///」
「……頂きます///」
もはやドキドキし過ぎて味がわからない家康。美味しい?美味しい?と隣で谷間を強調されながら可愛く聞かれれば、コクコクと頷くので精一杯だ。すると司会席に居た佐助があることに気づく。そしてそれに反応したのは……
「な、なんと心拍数が早すぎて計測が出来ませんっ!!」
これまた便乗して黒のメイド服に着替えていた、自称いっちゃん。マイクを持ったての小指をピンと上げ、驚きの声をあげた。
「ふんっ!衣装を選んだ俺に感謝を忘れるな」
「次は俺らの審査だな。まぁ、ひまりの圧勝か」
「最後には確か、会場にいる生徒の総合評価数が加算されて優勝者が決まるんだったな」
秀吉の問いかけに佐助は頷くと、心拍数の測定結果を見る。審査員の特典も加算され、圧倒的にひまりが有利な立場に。一位は家康とひまりペア、二位は政宗と弓乃、三位は三成と副部長だ。
「さて、最後はお約束!!得点が二倍になるチャンス!!」
「会場の皆さん!総合的に見てどのカップルが優勝者に相応しいか選んで!お手元のボタンを押して下さーい!」
「「「「「「えっ!?」」」」」」
得点二倍を聞いて唖然とした六人。なら、何のために三本勝負をしたんだと家康がぶつくさ言う隣でひまりは苦笑い。