第256章 『一周年記念作品』学園祭♡一日目(後編)
次は、政宗と弓乃ペア。
陽気にランウェイを歩き始めた弓乃は、流石パティシエ希望。銀のトレイに乗せた抹茶ケーキはクオリティの高さが見た目でわかるほどだ。
着物生地の和風メイドコスチュームも、ミニタイプの紺色でシンプルな白いエプロンが付いたタイプ。活発な弓乃にはぴったり。耳横で白い花飾りが揺れ……
「なかなか良いじゃねーか」
政宗もフッと笑いご満悦。しかし、これだけではドキドキパラメータは上がらない。なかなか苦戦しそうだが、弓乃には秘策があった。それは……
「は、はいっ!ご主人様!た、食べさせてあげるから、あーんして下さい///」
必殺ツンデレ技。普段なら絶対しないであろうシュチュエーションをして、政宗をドキドキさせる作戦だ。
「ほら……あーん!」
「……っ///」
うっすら開いた口元が近づき、銀のスプーンが差し出される。それには政宗もたじろぎ頭を一瞬後ろに引いた。
「お前。恥ずかしくねーのかよ」
「は、恥ずかしいに決まってるでしょ///だから……」
横にちらっと動いた視線。
「ご主人様。早く……食べてよ……」
かぁっ///っと、政宗の耳が赤く染まる。その台詞をつい違う意味で取ってしまい、バクバクと心拍数が一気に上昇。
しかし、次の瞬間には形勢逆転。
「……食ってやるよ。全部な」
手首を掴まれ、顔目前でケーキを頬張った政宗の急接近に弓乃は茹で蛸みたいに顔をみるみる染め上げたのだ。
(キャッー///見てるこっちがドキドキする///)
(定番のツンデレ強いな///)
これには見守っていた会場の生徒達もドキドキ。政宗が全部食べる様子を悶々と見つめていた。