第256章 『一周年記念作品』学園祭♡一日目(後編)
まずは、三位の三成、副部長ペアから。
佐助がランウェイを指差せば、ステージ上の三成が座っている席にスポットがあたり、再びランウェイの足元が光り始める。
「では、宜しくお願いします!」
パンパンパン!効果音と共に一斉に会場入り口に視線が向く。
(一人は恥ずかしいわね///)
するとそこには銀のトレイの上にプリンを乗せ、気恥ずかしそうに歩く副部長の姿が。白のエプロンにサテン素材のエメラルドグリーンカラーのロングワンピース。正統派クラシカルメイド服に身を包んでいた。もちろん頭には白フリルのカチュームがばっちり。
(これはっ///た、たまりません///)
バクバクと心拍数が上がり始めた三成。
「ご、ご主人様///どうぞ召し上がって下さい」
「時先輩がお作りになったのですか?」
「初めて作ったから、ちょっと自信ないんだけど……///」
銀トレイを胸前に抱いて、静かに頷いた副部長。そんな姿に三成の胸は高鳴る。差し出された銀のスプーンを受け取り、テーブルの上に置かれたプリンに視線を移す。天辺に生クリームがちょこんと乗り、見た目は普通に美味しそうだ。
「さて、お味の方はいかに!!」
ドキドキ……
パクリッ!
「………………んぐっ!!」
「え!?だ、大丈夫!?」
「…………は、はい。普段口にするプリンとは違い、なかなか噛みごたえがあります」
どうやら焼きすぎたよう。副部長も一口自分で食べてみると、次の瞬間には慌てて水を飲み干した。
「三成くん!無理しないで!!」
「いえ。これはこれで珍しくて美味しいです」
もともと食に関して無頓着な所がある三成は固いぷりんをもぐもぐと平あげる。しかし心拍数はみるみる下がってしまっていた。