第255章 『一周年記念作品』※告白シュチュエーション③
〜次の日〜
俺が一目惚れとか。
ほんと、あり得ないし。
ガラガラッ。
「くくくっ。席につけ。……転校生だ」
「……徳川家康。……宜しくお願いします」
何故か白衣を羽織った担任。
明智先生の隣で、愛想もへったくれもないお決まり台詞を言えば、視線が自然と俺に集まる。横や後ろに首が回り、ひそひそ話し声。かと思えば、頭のてっぺんからつま先まで動くうんざりする視線。こんなのは慣れてるし、どうでも良いけど……
出そうな溜息をどうにか込み上がる前に、抑えつけた時。
あっ!
明らかにそんな目でこっちを見た一人の姿が俺が昨日、適当に座った席の隣にあって……
……強張った表情筋が緩む。
「席は……」
担任からの指示前に脚がスタスタと動く。ガヤガヤ騒がしくなった教室。
昨日とは大違い。
まぁ……
「よ、宜しくね!///」
俺を見上げながら頬を染め、陽だまりみたいに笑う姿を見ただけで機嫌は良くなったけど。
「き……のう、ここに座ってたからビックリしちゃった///……どうぞ」
ひまりの隣だった時点で、柄にもなく『運命』の二文字が脳裏に浮かんだ。
「……あんた、俺の髪質に似てる」
「////////////」
「ふふっ。あいなちゃん、真っ赤!」
朝のホームルーム後、
髪質の話題に触れながら……
「……ひまりの触りたい」
手を伸ばせば、紅葉みたいに赤く色づく頬。自分でも卑怯な手使ってんの自覚しながら……
クシャッ。
「この香り……好き……」
「ありがとう///」
ひまりには、
もっと自覚して貰わないとね。
♡オマケss♡