第252章 『一周年記念作品』学園祭♡一日目(前編)
事前に知らせは受けていたが、家康と政宗はこれといって考えてきてはいない様子。三成は……それ以前の問題だ。
佐助は二つ目のお題を発表する前に、ひまり達に軽い休憩と制服に着替えてくるように指示をしていた。その為、今はステージ上にも会場である体育館の中にもいない。
え?何で制服に?
と、疑問を抱いたまま訳もわからず、体育館横にある更衣室で先に着替えに行った三人。まさかこれから自分達が彼氏から告白を受けるとは誰一人思ってもいないだろう。盛り上がる会場の声に、ますます困惑している姿が予想される。
「ひまりさん達には盛大にきゅんきゅんして頂きたいので、告白のことは内緒にして直前に簡単な説明だけします。お三方の腕の見せ所に期待しています」
しれっとプレッシャーをかけながら、佐助は先ほど丸めたガムテープが入ったボックスに紙を三枚入れ、軽く上下に振ると三人にクジを引かせる。
それぞれ四角に折られたクジを開き……
「もし彼女が後輩だったら?俺、あいつに先輩って呼ばれんのか?」
「教師と生徒?私が教師ですか?それとも時先輩が?」
「向こうが制服なら、普通に考えればわかるし。……ってか……よりによって一目惚れって……いきなりひまりに告白しろってこと?」
家康が眉間に皺を寄せると、すかさず眼鏡がキラーンッと光った。まさに、それを引いて欲しかった様子で近づき……
「あらかじめ告白前のシチュエーションはこちらでそれぞれ違ったパターンを用意してあります。と、言っても分かりにくいかと思いますので……ある方々に例題をお願いしてあります」
ある方々?
家康が益々、眉間の皺を深めると……
信長があれを見ろと、クイッと顎を横に動かした。
それに従うように三人は視線をそっちに向ける。いつの間にか得点板が消え、幕が閉じられていた壇上。