第252章 『一周年記念作品』学園祭♡一日目(前編)
じりじり近づく政宗と三成に拒否してステージ上の端っこで弓乃と副部長は抱き合ってお互いの胸を守る。
そんな四人の背後で……
「ドキドキ言ってる」
「ひまりもね」
お互いの胸に触れ合っていても厭らしい感じもなく、ほっこりなごむのは……やはり幼馴染同士のカップル特有か。映画のワンシーンのように、鼓動を確かめ合い微笑み合う姿に他の生徒はジーンとして感動。
「タイムアップです」
時間切れになった二組のカップル。しかし、順位は決めなければならない。そこで……佐助はどこからか黒い箱を取り出した。
「この中にある物が入っています。では女性のお二人はこれを触って中身を当てて下さい」
シンプルな方法を用意。
手を突っ込んで早々、ベタベタする!と、ぎゃーぎゃーと騒ぐ弓乃。続いて副部長は恐る恐る手を入れ、それでも心…いや、胸に触れられるのを拒否した自分に責任を感じて神経を研ぎ澄まし……
「丸めたガムテープ?」
見事正解。これで一つ目のお題は終了。一位は家康、ひまりペアで110ポイント。二位は三成、副部長ペアで60ポイント。三位は政宗、弓乃ペアで40ポイントという結果に。
「本番はここからだ。気を抜くな」
「審査も厳しくなるかもな?」
「せいぜい愉しませて貰う」
漸く?胸きゅんゾーンに突入しそうな二つ目のお題は……
「ドッキドッキ間違いなし!!もし彼女が後輩だったら!?もし生徒と教師の関係だったら!?もし、初対面で一目惚れをしたら!?どんな風に告白しますかーー??」
「「「しますかーー!?」」」
長すぎてプラカードには書けなかったのか、今回は佐助が直々に告げる。片手を自分の耳に添えマイクを観客席に問いかけるように向ければ、望んだ返事が返り満足そうにうんうんと頷いた。
「これか、参加の注意書きの所に考えとけって指示あったヤツは」
「三パターン分もね」
「はて?そんなのありました?」
もう明らかに誰かさんの趣味が入ったようなお題。いつの間にかガムテープを剥ぎ、くノ一衣装から戦国学園の制服に着替えた二人の目はキラキラと輝く。