第252章 『一周年記念作品』学園祭♡一日目(前編)
そして、三成と副部長ペアはごく当たり前のように『図書館』と書かれたホワイトボートを同時に向け、見事10ポイントを獲得して微笑み合う。
そして、二つ目のお題になった時。
キラッ!観客席で大人しくしていたぐるぐる渦巻き眼鏡が怪しく光る。
(口は愛?のガムテープで塞がれてるけど、指は動くー!)
背中から一冊のノートを抜き取ると、インクの出が悪くなった筆ペンを縦にブンブン数回振ってスラスラ綴る。
再び、回り出したルーレット。
秀吉は試合同様、足踏みをして胴を作り、弓を構えて打ち起こして引き分ける……そして、じっーと狙い撃つかのように真剣な表情をして自然に離れ矢を放った。
『二人の関係を擬音語に例えるなら?※ラブラブ以外で答えて下さい』
「ふっ。なかなか興味深い質問をあてたな」
光秀が目を細めくくっと笑えば、六人は「擬音語?」と頭に捻る。流石にすぐにピンと閃くのは難しく、ホワイトボートにペンを走らせる指は遅い。
そんな中、スラスラ書いたのは男の子の組み。女の子組みは時間ギリギリまで悩ませた。
「では、今度は三成さん、副部長さんペアからお願いします」
「『じれじれ』な、感じかしら?」
副部長は両思いでもまだ付き合っていない自分達の関係を焦ったい感じかと思い、その擬音語をチョイス。
「私は『ぬるぬる』と、書きました」
「ぬるぬるっ!///」
その言葉に赤面する副部長。至って三成は真顔で、どうかされましたか?と尋ねる。
「くくくくっ。三成、何故そう書いたんだ?」
「掴めそうでまだ掴めませんから……頭に真っ先に浮かびました」
揶揄うつもりが真面目にそう答える三成に、光秀は耐えていた笑いが込み上げ、はははっ、と声を上げる。
「なかなか奥が深い珍回答でしたが、一致はしませんでしたので、次は家康さんとひまりさんお願いします」
会場にクスクスと笑いが溢れる中、
佐助は淡々と司会を進行。