第252章 『一周年記念作品』学園祭♡一日目（前編）

まず、
自称いっちゃんが調子に乗り……


「ひまりちゃんのコーデ！袖リボン付き白ニット！ヘアアクセと同素材のリボンで統一感もあり！何よりちらり腕の肌見せサービス付き！それにフレアタイプのブルーデニムサロペットスカートを合わせ、くしゅくしゅ白ソックスにガーリ系感たっぷりのリボン付きハイカットスニーカー！！来ましたぁ！王道ゆるカワカジュアルファッション！……ぜぇぜぇ……バトンタッチ」


普段の運動不足が祟ってか、ぐるぐる渦巻き眼鏡をかけ直しながら、乱れた呼吸も整える。


そして、
マイク受け取ったしほが今度は……


「い、い、い、家康しゃんは！同じく肌触りの良さそうなゆるハイネックの白ニット！しかぁーしここポイント！裾も袖も長めっ！そしてブラックスキニーをソツなく履きこなして、腰元にはデニムシャツを巻いて、足元は黒のスニーカー！シンプルだが、上級者テクの外しも入れたモテカジュアルコーデ！」


呼吸を一切乱さず、伝え切ったしほの表情は晴れ晴れ。


「ひまりちゃんの三つ葉のピンキーリング！家康様もいつ購入したのか！シルバーの太めのリングに三つ葉が描かれててっ！」


「まさに仲良し感がっ！！」


眼鏡をはめている割に視力は超人並み。

ふぅー……っと、
二人は同時に息を吐き出すと……


顔を見合わせ、


「「心もコーデもリンク！！」


声を合わせて、
納得したようにうんうんと頷いた。


すると……

物凄い威圧的なオーラを感じ……

首をギギッと動かせば、鬼のような形相した信長が仁王立ちしていた。


「貴様ら……クビだ。静かに観客席にいるんだな」


「「へっ！？」」


くノ一衣装の首襟根っこを掴まれ……


「司会は、佐助で十分だ。雑用の時にでも手伝え」


ポイッと下に降ろされ、お役目御免となった二人。それからは、大人しく観客として見守ることになった。