第8章 先輩「豊臣秀吉」
「なら、俺が先生に伝えといてやる。見つけたら、もう帰るといい」
「ありがとうございます!」
「家康に、明日は覚悟して登校するように。って言っておけよ」
「ふふっ。よーく言っておきます!」
人差し指をビシッと顔の横に立て私が笑うと、秀吉先輩も眩しい笑顔を返してくれた。
すると……
「きゃー!戦国プリンス様の笑顔!素敵〜〜」
「お荷物、私達もお手伝いさせて下さい〜〜」
ドンッ!
何処からか黄色い声が響き、あれよあれよと湧き出るように現れた女の子達。
私はそんな大群に押され……
身体が後ろに仰け反る。
(わあっ!!)
トンッ……。
「……大丈夫か?」
倒れそうになった身体。
先輩は段ボールと一緒に、私も抱え込むように支えてくれていて……
「……は、はい///」
密着した体制に恥ずかしがりながら返事をすると、先輩は囲んだ女の子達に視線を向け、
「……君達の気持ちは嬉しいが、俺は女の子に怪我して欲しくない。だから、気をつけてくれ」
優しく注意をする。
戦国プリンスは先輩に付けられたあだ名。
今まであんまり意識した事無かったけど、紳士的な先輩にはピッタリだなぁ。と、改めて思った。
戦国武将六人目
「豊臣秀吉」
優しくて、お兄ちゃん的存在
モテモテの先輩。