第248章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(35)時を繫ぐルージュ編
目線の高さが、
ほぼ同じになった二人。
家康の今日のファッションは濃いカーキ色のパーカーにブラックジーンズ。パーカーの肩下部分には、ファスナーチャックが付いていて、そこに赤いタグぶら下がりアクセントに。
「二人の格好はクリスマス感があるね!普段通りの部屋デートでお願いするよ!ケーキもあるからね」
カメラマンはそう告げシャッターチャンスを逃すまいと、レンズを覗き込みアングルを合わせる。
(ん?ひまりちゃんの表情が少しぎこちない気がするのは気のせいか?)
編集長は片眉を上げ、家康の前で姿勢をピシッとして視線をキョロキョロとあちこちに移すひまりの態度に疑問が浮かぶ。
撮影日程の連絡時に、二人の付き合った経緯と来週で付き合って二ヶ月目だと聞き、ケーキやパーティグッズを準備して、この撮影タイムを設けたのだったが……
そう、ひまりには問題が一つ。
いつも通りの部屋デートキーワード。
このポージングにそれは隠されていた。
「何一人でキョロキョロしてるの?」
「し、してないよっ」
「ふーん……で、この前の家庭科自習……だけど」
ビクッ!!
「何で……俺じゃないヤツにあげたワケ?」
きた!まさにそんな様子で頬をピクピクしたひまり。そう、二人の部屋デートは肌を重ねる時間、勉強を家康から教わる時間、まったりいちゃいちゃする時間以外に……
「め、眼鏡くん!まだ……そ、の貰ってなかったみたいだから……」
もし良かったら……と、思って。
お仕置きタイムが存在。
眼鏡くんはいつも何故か、何度、席替えをしても廊下側の一番後ろの席というレアキャラなクラスメイト。