第248章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(35)時を繫ぐルージュ編
拍手喝采で終えた撮影。
着替えに三人が向かうと、スタッフ達はニヤニヤ、にこにこしながらセットに取り掛かる。
「バルーンここで良いっすか?」
「ケーキはやっぱり、真ん中ね!」
「フォトプロップス!可愛いのいっぱいね!定番のヒゲもあるし、ハートにハットにメガネ!」
パステルカラーのバルーンが飾れた可愛らしいパーティ雰囲気のセット。
一つだけ数字「2」の形をした赤いバルーンを持ち、編集長は真っ白なスクリーン背景に真ん中に張り付けた。
「え!!コレ!!」
「撮影はもう終わったんじゃ……」
「まるで誕生日祝いみたいだね」
着てきた普段着と元の髪型に戻った三人、ひまりと家康、信康。今からまた撮影が始まりそうな雰囲気に驚きを隠せずにいると……
記念撮影さ!
編集長は白い歯を輝かせ笑う。
「まずは、女の子二人!背中合わせとかは、どうかな?」
「「は〜〜い」」
間延びした返事をしてセットの中に入って座ったのは、胸にお揃いの縫いぐるみを抱いて、淑やかなお姉さん座りをした副部長と体育座りしたひまり。
髪の長さが同じぐらいの二人は頭をくっつけ合い、笑顔をレンズに向ける。
グレーの首が少し詰まったニットに白のロングガウチョを履いた副部長。
紺、赤、白の三色ボーダーVネックニットに、前ボタンの赤い台形スカートを履いたひまり。
「二人とも好きなポーズしてくれ」
「ふふっ!コレかな?」
「私は勿論、コレね」
人差し指を口元に立てたひまり。
ウィンクをした副部長。
(はぁ……早く連れて帰りたい。アレでお願いされたら、絶対断れない)
(何でしょう……あのお姿を見ているだけで、こう胸が……はぁ……)
思わず、
吐息を漏らした家康と三成。
「オッケーだよ」
「「ありがとうございました」」
楽しそうにカメラマンと話しながら撮影を終えると、今度はバトン交代で三成がひまりと交代。
「二人とも服装のテイストも合ってるし、お似合いだね」
清潔な白シャツに、グレーのカーデ、白ボトムを履いた秋の爽やかさを運んできたような三成のファッション。